施工管理者の一日の流れ|朝礼準備から退勤するまで状況別に解説!

施工管理者の一日の流れ|朝礼準備から退勤するまで状況別に解説!

施工管理の基本的な一日の流れは、「朝礼」で段取りの確認や情報共有をし、工事のはじまりから終わりまでは、「巡回」と「打ち合わせ」が中心となります。その後、現場の「作業終了や施錠の確認」し、「事務作業」をして退勤する流れとなります。なお、大抵は午前中と午後に1回ずつ15分~30分程度の中休みを取り、昼休憩も取ります。

とはいえ、「いつも同じスケジュールじゃないでしょ?」「巡回では何するの?」と思われる方もいることでしょう。

そこで本記事では、施工管理の基本的な一日の流れや状況別ごとの一日の流れ、施工管理者がすること、気になる実態(残業や休日、労働環境の改善)一日の流れをスムーズに終えるためのポイントなどについて解説します。是非参考にしてください。

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施工管理の一日の流れ

施工管理の一日の流れは、一般的に多い基本的な流れと、状況により異なる一日の流れがあります。プロジェクトの進行具合や時期、立場、現場などの特性が理由です。それぞれの状況に応じた一日の流れを理解することは、施工管理の効率を最大限に高めるために重要です。

そのため、施工管理の基本的な一日の流れと、状況別ごとの一日の流れについて、併せて解説します。よろしければ参考にしてください。

基本的な一日の流れ

7:00~8:30 「朝礼の準備」や「朝礼」
8:30~17:00 「巡回」や「打ち合わせ」
17:00~17:30 「作業終了や施錠の確認」
17:30~20:00 「事務作業」

施工管理の基本的な一日の流れは、現場の安全と効率を確保するために計画的に行われています。

まず、現場に出勤すると、その日の工事の安全性を高め、効率を損なわないよう朝礼の準備に取り組みます。

その後、朝礼で段取りの確認や情報共有が行われ、工事が開始されます。施工管理者は一日を通じて巡回や打ち合わせを行い、工事の進行状況を把握し、問題が発生した場合は迅速に対応します。たとえば、安全ハーネスの着用確認や危険な作業場所の再評価など、具体的な安全管理措置をすることが多いです。

そして、その日の工事が終了すると、作業終了の確認や施錠作業を行い、事務所に戻って事務作業に移ります。事務作業では、工事報告書の作成や、翌日の工事計画の準備が行われます。事務作業が完了したら、その日の仕事は終了となります。

このように、施工管理の基本的な一日の流れは、現場の安全と効率を最優先に考え、計画的に進められています。各段階での準備や確認は、工事がスムーズに進行することを保証し、作業員の安全を守るために大切です。

夜間工事を含めた一日の流れ

7:00~8:30 「朝礼の準備」や「朝礼」
8:30~17:00 「巡回」や「打ち合わせ」
17:00~17:30 「作業終了や施錠の確認」
17:30~18:00 「事務作業」
18:00~23:00 仮眠や休憩
23:00~23:30 「夜の挨拶(朝礼と同じ役割)」
23:30~翌5:00 「巡回」や「打ち合わせ」
翌5:00~翌5:30 「作業終了や施錠の確認」
翌5:30~翌7:00 「事務作業」

夜間工事を含めた施工管理の一日の流れは、日中の作業が完了してから、仮眠や休憩を取り夜勤に備えます。そのため、17:30からの事務作業は、早めに切り上げて休憩します。23:00に朝礼と同じように夜も挨拶を通して、スケジュール確認や安全確認、危険箇所などの情報を共有し、改めて夜間の工事をスタートします。

夜間工事が必要となる理由は、騒音や光に敏感なエリアなど、夜間の時間帯でなければ難しい工事があるためです。

施工管理者は、体力と精神力が必要となりますが、休息を十分に取ることが大事です。

繁忙期の一日の流れ

7:00~8:30 「朝礼の準備」や「朝礼」
8:30~17:00 「巡回」や「打ち合わせ」
17:00~17:30 「作業終了確認や施錠確認」
17:30~22:00 「事務作業」

施工管理の一日の流れで繁忙期は、特に事務作業や打ち合わせが増え、残業しがちとなります。需要が高まることで、複数のプロジェクト案件が同時に動きやすく、頻繁な書類作成や進捗報告などが必要となるためです。

なお、施工管理の忙しい時期は、シーズナリティという観点で「9月と12月から翌年の3月」、工事の進行状況という観点では「工事開始前と工事完了前」です。忙しい時期や理由を早めに把握して、イメージできるようになるには、以下の記事を是非お読みください。

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雨天や閑散期にデスクワーク中心となる一日の流れ

7:00~8:30 「朝礼の準備」や「朝礼」
8:30~19:00 「事務作業」や「打ち合わせ」

施工管理の仕事では、デスクワーク中心となる日があります。雨天による現場作業の休止時や、担当しているプロジェクト案件が少ない時です。そのため、事務作業(予算の確認、材料の発注など)や、打ち合わせ(施工計画の確認や見直し)を中心に行います。

複数の現場を担当(ハウスメーカーなど)する場合の一日の流れ

8:00~8:30 社内の朝礼(出社)
8:30~10:00 「巡回」や「打ち合わせ」(現場A)
10:00~12:00 現場Bの「巡回」や「打ち合わせ」(現場B)
13:00~15:00 現場Cの「巡回」や「打ち合わせ」(現場C)
15:00~17:30 現場Dの「巡回」や「打ち合わせ」(現場D)
17:30~20:00 「事務作業」(自社)

複数の現場(ハウスメーカーなど)を担当している場合、施工管理者は自社に出勤し、社内の朝礼でその日の動きを確認するケースが多いです。そして、現場を移動しながら「巡回」と「打ち合わせ」をします。効率的に各現場の状況を把握し管理するためです。朝礼は、各工事現場の職長や責任者に任せることが増えます。

新人の一日の流れ

7:00~8:30 「朝礼の準備」や「朝礼」(雑務や朝礼に参加する)
8:30~17:00 「巡回」(先輩に同行し、サポートする)
17:00~17:30 「作業終了確認や施錠確認」(先輩に同行し、サポートする)
17:30~20:00 「事務作業」(先輩に同行し、サポートする)

施工管理新人の一日の流れは、先輩に同行することが多くなります。そのため、平常時の日中業務と似た動きとなります。ただ、業務内容は、主に先輩のサポートや雑務が中心となります。たとえば、安全基準を維持するため、現場掃除や工具を適切な状態で保管します。施工管理の新人のやるべきこと(新人の1年目の動きや仕事、必要な意識など)は、以下の記事を併せて読んでください。

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【施工管理の一日の流れ】各工程ごとに解説

状況別に!施工管理の一日の流れについて
状況別に!施工管理の一日の流れについて

施工管理の一日の流れについては、基本的な流れと、状況別ごとの流れを併せて解説しました。しかし、施工管理の一日の流れを見ても、各工程ごとに具体的に何をしているのか、イメージできない方もいるでしょう。たとえば、「巡回」は一見現場を回っているだけとイメージしてしまいそうですが、工事進捗を記録するために写真撮影も行います。

そこで、この項目では、施工管理の一日の流れで各工程ごとに、実施する理由や具体的な内容について解説します。

「朝礼の準備」や「朝礼」ですること

「朝礼の準備」と「朝礼」の内容についてそれぞれ解説します。

「朝礼の準備」

施工現場の朝礼は、施工管理者の準備が厳かになりますと、その日の工事の安全面や効率に悪い影響が出ます。そのため、朝礼で話すことを整理しておくことが重要です。

朝礼の準備ですること

  • 安全掲示板の確認
  • 当日のタスクを確認
  • メールチェック
  • 引継ぎ内容を確認
  • 自社の全体の動きや、他の社員の動きを把握

たとえば、施工管理者が出勤する直前に、クライアント(プロジェクトの依頼元)や上司から指示の変更があった場合、気付かないで建設工事を進めてしまうと、最終的な構造物の品質に悪影響を及ぼす可能性があります。あるいは、工事のやり直しが必要となり、スケジュールが遅延してしまうこともあるでしょう。

そのため、施工管理者の朝礼の準備は、朝礼を行うために重要な時間となるのです。

「朝礼」

施工管理者が朝礼ですることは、一日の安全を守り、効率的に作業を進めるために大切な時間です。そのため、作業員全員に対して、段取り確認や安全確認、危険箇所などの情報を共有することが重要です。

朝礼ですること

  • 段取り確認
    作業の優先順位を伝えます。理由は、作業員全員が効率的に動くためです。
  • 危険箇所の共有
    高所作業や重機の運用エリアを明確にし、安全対策を再確認します。事故のリスクを減らすためです。
  • 安全確認
    ヘルメットや安全帯が適切に装着されているかをチェックします。安全に作業を進めるためです。
  • ラジオ体操
    ラジオ体操を行うことで作業員の体を活動的にします。一日の労働に備えためです。

たとえば、前日の作業に関する反省点を設計図と図面を用いて説明し、成功した点や改善が必要な点を挙げます。また、発注者からの要望や納期に関する調整も再確認します。全員が同じ認識を持つことで、作業効率が上がります。特にマンションや土木工事の安全面にも気を遣うことができます。

したがって、施工管理の朝礼は、一日の安全を守り、効率的に作業を進めるために大切な時間となります。

「巡回」や「打ち合わせ」ですること

工事作業中の施工管理者の動きは、「巡回」や「打ち合わせ」をします。そのため、現場と事務所を行き来することが多いです。では、具体的にどのようなことをするか解説します。

「巡回」

施工管理者の巡回は、プロジェクトの安全性と効率性を保持するために行います。

巡回ですること

  • 点検:安全装備や作業場の状況を確認、機械や設備の動作確認など
  • 写真撮影:進行中の作業や問題が発生している箇所の記録、後の報告書用に現場の状況を撮影
  • 作業員への指示:日々のタスクや安全上の注意点の伝達、不明点の解消や指示の確認
  • 危険箇所や問題点のチェック:危険と思われる箇所の特定とマーキング、既知の問題への対応状況の確認
  • 予定通りか進捗確認:工程表と実際の進捗の比較、必要な場合は調整の準備

たとえば、施工管理者の巡回によって、新しく設置された足場で基準に満たない箇所を発見した場合は、足場を補強する指示を出すことで、潜在的な事故を防ぐことができます。

したがって、巡回は施工管理者の重要な業務の一つなのです。

「打ち合わせ」

施工管理者の打ち合わせは、主に工期内にプロジェクト案件を完了させるためにします。工程の進捗確認やスケジュールの調整、見直しを行います。

打ち合わせで行うこと

  • 進捗確認
    現場の作業進捗状況の共有、遅れが生じている場合の原因分析など
  • スケジュール調整
    工程の前倒しや延期の検討、必要に応じてリソースの再配分など
  • 情報共有
    現場監督や所長、職人との情報交換や会議
    クライアントや業者、行政との連絡と調整

たとえば、電気工事の遅延により、次の内装作業の工程に影響が出てしまいそうな時、遅延対策(電気技師の追加手配など)を講じることでプロジェクト全体のスケジュール遅延を回避することができます。

したがって、施工管理者の打ち合わせは、工期内にプロジェクト案件を完了させるために大切なのです。

「作業終了や施錠の確認」ですること

施工管理者は、その日の工事が完了したら「作業終了や施錠の確認」をします。現場を安全に保つために必要です。

作業終了や施錠の確認ですること

  • 作業終了の確認
    日中に行われた作業が計画通り完了したかを確認
  • 安全チェック
    作業エリア内の機材や資材が適切に整理されているか、危険な物資や工具が放置されていないかを確認
  • 出入口の施錠
    現場の出入口や倉庫、事務所などの施錠を実施
  • セキュリティチェック
    現場に設置されている監視カメラやアラームシステムが正常に機能しているかを確認

たとえば、施工現場で施錠が適切に行われていないと、現場で建設機械など盗難の被害に遭う可能性があります。事前に施錠の確認をしておけば、未然に防ぐことができます。

そのため、施工管理者の作業終了確認や施錠確認は、現場を安全に保つために必要となります。

「事務作業」ですること

その日の現場工事が完了し、施工管理者が、作業終了や施錠の確認を終えましたら、事務所に戻り、「事務作業」をします。プロジェクトを効率的かつ効果的に運営するためです。

事務作業ですること

  • プロジェクトの書類管理
    工程表や施工図、報告書、行政への提出書類の作成など
  • 工事記録の保管
    撮影した工事写真の整理など
  • 発注業務
    資材や機械、人員などの発注
  • コミュニケーションと調整
    施工現場とクライアント、サプライヤー(納品業者など)、サブコントラクター(下請け業者など)と電話やメールで連絡(進捗報告や共有)
  • スケジュールの進捗を監視
    予算オーバーや、成約通りにプロジェクトを進められるか確認

たとえば、新しいサプライヤーとの取引開始にあたり、材料供給に関する契約書を作成します。施工管理者は、契約書を適切に記録し、必要に応じて参照できるように整理します。

このように、施工管理者の事務作業は、プロジェクトを効率的かつ効果的に進めるために必要です。そして、事務作業が完了したら施工管理の一日が終わり、退社して明日に備えます。


施工管理の基本的な仕事内容(品質管理や原価管理、工程管理、安全管理など)については、以下の記事でまとめています。興味のある方は、是非お読みください。

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施工管理の一日の流れを見て気になる実態

施工管理の一日の流れを見てみると、残業や休日がどのくらいあるのか気になるのではないでしょうか。建設業で活躍する施工管理は、一般的に残業が多く、休日が少ないと言われています。そこで、残業や休日の実態、労働環境の改善について解説します。

施工管理の残業の実態

施工管理を行う技術者は、一般的に残業時間が多いと言われています。限られた資源の中で工期が決められているためです。具体的な実態について紹介します。また、残業の実態について、統計からも確認しましょう。

●資源の制限
人手不足や限られた資源の配分は、既存の労働力に負担をかけることになります。特に繁忙期には、限られたスタッフで多くの仕事をこなす必要があります。

●不測の事態への対応
建設現場では予期せぬ問題が頻繁に発生します。計画外の問題に対応する必要があるため、残業する場合があります。

●プロジェクトの期限と圧力
建築プロジェクトには厳格な期限が設定されており、遅延はコスト増加につながるため、残業してコスト増加を軽減させる場合があります。

たとえば、商業施設のオープン日などが予め決まっている場合、宣伝なども行っているためスケジュールの変更は困難となります。計画の予定が遅れていると、夜遅くまで作業することもあります。

続いて、施工管理者の残業について、統計情報を見てみましょう。

国土交通省の令和4年度調査(「集計結果(建設企業)」)によれば、月あたりの残業時間は年々減ってきているものの、45時間を超える建設業の技術者は、13%を占めています。

※技術者:主任技術者や監理技術者等、施工管理を行う者のことです。

出典:国土交通省.「建設業:令和4年度調査「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」の結果を公表

したがって、限られた資源の中で工期が決められているため、残業時間が多くなります。

施工管理の休日の実態

施工管理を行う技術者は、実態として4週に8日以上の休みを取れていないケースが多いです。国土交通省が令和4年の工事実績を基に、116団体に対して行ったアンケート調査(「集計結果(建設企業)」)によれば、技術者の多忙さがうかがえます。

●4週8休以上:12%程度
●4週7休程度:13%程度
●4週6休程度:42%程度

「4週6休程度」の回答が最も多い結果ということがわかりました。

出典:国土交通省.「建設業:令和4年度調査「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」の結果を公表

また、厚生労働省が令和4年の実績を基に行った令和5年就労条件総合調査(「労働時間制度」 )によれば、建設業も含める主要産業全体で「何らかの週休2日制」を採用している企業は、85.3%です。施工管理の技術者のアンケート調査と比較すると、多くの企業が4週に8日以上休みが取れていて、施工管理を行う技術者は、休みが少ないとわかります。

出典:厚生労働省.「令和5年就労条件総合調査 結果の概況

したがって、施工管理を行う技術者は、統計的に見ても4週に8日以上の休みを取れていないことが多いと言えます。

労働環境の改善

施工管理が活躍する建設業界では、労働環境の改善について積極的な取り組みが実施されています。建設業における労働時間外の上限や、ICTの取り組みについて紹介します。

労働時間外の上限規制の実施(36協定)

建設業は、2024年4月から上限規制が施行されることとなりました。働き方改革の一環のためです。ただ、建設業の労働時間の長さは、業務の特性や取引慣行に起因する問題があったため、施行が5年間延期されていました。

具体的には、労働時間が原則として週に40時間日に8時間以内へ制限されます。また、月間の残業時間も45時間年間では360時間までに抑えられるよう規制が設けられます。

したがって、建設業の労働環境を少しずつ改善していく取り組みが実現されています。

出典:厚生労働省.「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)

ICT化の取り組み

情報通信技術を活用することで、現場管理の効率化を図ります。不必要な残業の削減に期待することができるからです。たとえば、遠隔監視システムの導入により、現場の状況をオフィスからリアルタイムでチェックできるようになり、現場への頻繁な訪問が不要となります。

このような技術革新は、施工管理者のワークライフバランスの改善が期待され、より健康的で持続可能な職場環境を実現するための大切な取り組みです。

出典:国土交通省.「i-Construction

施工管理の一日の流れをスムーズに終えるための3ポイント

施工管理の一日の流れをスムーズに終えるためには、安全管理の徹底スケジュールの正確な管理効果的なコミュニケーションが大切です。施工管理の仕事をスムーズに終える方法として、3つのポイントを解説します。

安全管理の徹底

安全は、施工現場で最も重要です。適切な安全装備のチェックやリスク評価を常に行うことで、事故を防ぎ、プロジェクトの遅延を避けることができます。そのため、すべての作業員の健康と安全を保護することは、スムーズに仕事を終えるための基本とも言えるでしょう。

スケジュールの厳格な把握と調整

適切にスケジュールを管理することで、無駄な遅延を避け、プロジェクトのコストと時間の節約につながります。施工現場では、プロジェクトの進捗に影響を与える要素(思わぬトラブルなど)が数多くあるため、翌日の動きを見据えて行動するなど、時間に余裕を持つことが大切です。

効果的なコミュニケーション

現場や関係者との報告や連絡、相談は大切です。工事の関係者間で明確な情報共有と誤解の防止をすることができ、作業の進行をスムーズに行うことができるからです。特に問題が発生した場合は、早期に解決策を見つけ出し、プロジェクトの遅延を避けることができます。

このように、施工管理の一日の流れをスムーズに終えるコツとして、安全管理の徹底やスケジュールの正確な管理、効果的なコミュニケーションが大切です。

施工管理者のやりがいって何だろう?

施工管理者のやりがいは、実感値の高さにあります。長期にわたる課題とプレッシャーの中で、成果を出すことが達成感や一体感を高めるからです。たとえば、自分が携わった大規模な商業施設が完成し、その建物を家族と利用する時、仕事の実感を強く感じることでしょう。自分の仕事が形となり残っているからです。

また、現場で築き上げた職人たちと、連携や信頼関係の力で共に困難を乗り越えた事実は、プロジェクト案件が完成した時に達成感や一体感があります。共に喜ぶことができるからです。

したがって、施工管理者のやりがいは、実感値の高さにあると言えるでしょう。

施工管理は何年で一人前になれるだろうか

施工管理は何年で1人前になれるだろうか
施工管理は何年で1人前になれるだろうか

施工管理者として未経験より一人前まで要する時間は、2級施工管理技士の取得をベースに考えた場合、一般的な目安として5年程度と言えます。

理由としては、3つあります。

  • 1〜2年 基礎的な知識とスキルを習得します。
  • 3〜5年 独立して業務を遂行する能力を培います。
  • 2級施工管理技士の2次検定を受けるためには、1次検定に合格してから実務経験が3年以上必要と公的に決められている。
    ※2級の1次検定は、17歳以上で受けられます。

2024年より2級施工管理技士は、受験資格として「実務経験が8年」から、「1次検定に合格してから実務経験が3年」と国土交通省により緩和されました。

2級施工管理技士を取得しますと、施工管理技士と称することができ、主任技術者への道も開きます。

したがって、個人により差はありますが、5年あれば1人前を目指せると言えるでしょう。

まとめ:施工管理者の一日の流れ|朝礼の準備から夜の施錠管理まで解説

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。

施工管理の一日の流れは、プロジェクトの進行具合や時期、立場、現場などの特性が理由で、一般的に多い基本的な流れと、状況ごとに異なる一日の流れがあります。

基本的には「朝礼」からはじまり、工事作業中は「巡回」と「打ち合わせ」で建設現場と事務所を行き来します。夜には「作業終了や施錠の確認」を行い、事務所で「事務作業」をして帰宅する流れとなります。

また、施工管理の仕事は、残業が増えことや休日が少ないという実態もありますが、労働環境の改善が積極的に取り組まれています。また、安全管理の徹底やスケジュールの正確な管理、効果的なコミュニケーションを行うことで、スムーズに対処していくことが可能です。プロジェクトを終えた時には実感値が高く、やりがいや魅力を感じることができるでしょう。

施工管理者を目指す方がいましたら、一人前となれるよう、この記事が役に立つことを祈っています。

なお、施工管理という職種は、専門的で大変な仕事ですが、未経験からもはじめられる魅力あるお仕事です。

本記事をお読みいただいた皆さんの中で、施工管理でキャリアを積むことを考えている方は、勤務地や給与などの求人情報と併せて企業の業種や入社後の教育研修、支援制度(資格試験の支援など)も確認しましょう。

また、現在の会社を退職する前に求人の募集事項をチェックしましょう。たとえば、どのくらいの企業が資格(1級建築施工管理技士など)を必要としているかなど、実態を先に知ることができます。「先に知っておけば良かった」を回避しましょう。

転職サイトやエージェントを探すのが面倒な方には、以下で紹介している転職エージェントへ登録することをおすすめします。迷わず選択できるように、3つの観点で建設業界での転職に適している転職エージェントを厳選しました。

転職エージェントは、求人に応募する前に気軽な質問ができますし、求人数は転職サイトより多い傾向があり、非公開求人にアクセスすることもできます。基本的に料金は掛からず無料で利用できるので、興味のある方は早めにおすすめのエージェントを把握することを推奨します。(※エントリーの際は、必ずご自身でも確認してください)

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