施工管理は、資格なしでも仕事ができます。実際に未経験の求人募集をする企業があるからです。そもそも、資格を取るのに実務経験が必要になります。
「でも、いくつかの種類があってよくわからん。」「じゃあ、運転免許は必須?」など疑問はあるでしょう。
そこで、施工管理が資格なしでもできる理由と併せて、施工管理が将来的に活かせる資格(施工管理技士や資格手当の相場、運転免許が必要か)、転職する方法(転職エージェントや施工管理の求人例)を解説します。
是非、今後の参考にしてください。
探すのが面倒、未経験者も、コレ |
派遣サイトと見分けて選択、ならコレ |
施工管理は資格なしだとできないのだろうか
施工管理は、資格なしでもはじめられる仕事です。
資格より実務経験が重視される職種となり、実際に未経験でも求人で募集する企業がいるからです。
また、国家資格の「施工管理技士」を持っていると主任技術者や監理技術者を目指すことができ、転職時にもアピールポイントとなります。それらの技術者になるためには、実務経験や施工管理技士の資格が必要となるからです。主任技術者や監理技術者は、建築工事や土木工事など多数の建設工事で、必ず配置が必要とされています。(軽微と言われるような簡単な工事を除きます)
※参考:国土交通省.「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」.参考資料1 技術者制度の概要
主任技術者や監理技術者は、請負金額によって配置する技術者が定められています。
したがって、施工管理技士を取得していると、実務経験と知識の両方が認められるため、転職時のアピールポイントとなります。
未経験で求人を募集する企業がいる理由
未経験で求人を募集する企業がいる理由は、人手不足により施工管理の人材ニーズが高まっている背景が関係しています。
経済の回復と公共投資の拡大、そして大規模なインフラプロジェクトが推進される中、新たな建設プロジェクトが増えています。建設プロジェクトを進めるためには、適切に管理し、工程をコントロールする施工管理が必須となります。
また、建設業界の労働力は、高齢化が進み、経験豊かなベテランが減少しています。このため、新しい技術を身に付けられる未経験者や若手、無資格者の育成と採用が積極的に行われており、活躍できる機会が増えています。
そのため、建設業界全体で施工管理の人材ニーズが高まっています。
施工管理の求人(例)
施工管理の求人例を建職バンクの転職サイトを参考にご紹介します。(※参考:建職バンク)
※2024年6月18日段階の掲載情報を参考にしています。
▼関東エリア(東京都)建築士事務所の求人(例)
●応募条件:経験者優遇、未経験者歓迎
●雇用形態:正社員
●年収:400万円~750万円
●年間休日:110日
▼中部エリア(名古屋市)電気通信工事会社の求人(例)
●応募条件:普通自動車運転免許(AT限定可)
●雇用形態:正社員
●年収:300万円~700万円
●年間休日:116日
施工管理の役割
施工管理の役割は、施工者が、設計図書(設計図や契約書)の内容通りに建設計画が完了するよう施工することです。
様々な分野(建築工事や土木工事、電気工事など)で建設プロジェクトがあり、施工の計画から完了まで、品質や予算(原価)、納期(工期や工程)、安全、環境を管理します。4大管理(品質管理、原価管理、工程管理、安全管理)や5大管理(4大管理、環境管理)とも呼ばれています。
施工管理者は、現場での指導や監督を担当し、作業員や職人たちが、安全で効率的に作業できるよう調整します。(スケジュール管理やスタッフの配置など)施工現場の衛生や安全の確保など、非常に重宝されるスキルです。
施工管理に求められる能力
施工管理に求められる能力について、例を紹介します。建設現場で、責任者としての立場を全うするために重要です。
- 先回りする能力
工事現場の予期せぬ問題に、いち早く気付く能力が求められます。
事前に問題を予測し、迅速に対応することで、適切な手配や調整ができます。 - コミュニケーション能力
工事関係者や顧客と信頼関係を築く能力が求められます。
現場の職人や顧客など、正確な情報伝達によって、建築物の安全性と品質を保証することができます。 - 業務管理と時間管理をする能力
一日の作業を適切に手配し、各作業員の職務が効率的に進められる能力が求められます。
建設現場の作業が計画通りに進行し、プロジェクトの遅延を防ぐことができます。
資格なしの施工管理者が将来的に活かせる資格
資格なしの施工管理者が将来的に活かせる資格で、施工管理技士という国家資格があります。(※2024年6月段階で7種類あります)未経験でも、建設業の専門学科を卒業していても、将来的に役に立ちます。
施工管理技士資格の特徴
●1級と2級があります。
●2級は、主任技術者を目指せます。
●1級は、監理技術者を目指せます。
●資格試験は、第一次検定と第二次検定があります。(一次検定に受かると、「〇〇施工管理技士補」と称されます。)
●二次検定を受けるためには、一定の実務経験が必要となります。
また、施工管理技士は、建築や電気、造園など専門分野ごとに設けられています。
▼建築施工管理技士
例:マンションの新築工事
▼電気工事施工管理技士
例:商業施設の電気設備の設置
▼土木施工管理技士
例:高速道路の建設
▼管工事施工管理技士
例:大規模オフィスビルの空調と配水・排水設備の施工
▼造園施工管理技士
例:公園の整備と緑地の造成
▼電気通信工事施工管理技士
例:都市部での5G通信インフラの設置
▼建設機械施工管理技士
例:鉄道の新線建設
施工理技士の試験は、易しくはありませんが、受験を目指してしっかりと準備すれば、年収アップの可能性が高まります。
施工管理の仕事をしながら取得することが可能ですが、どんどん忙しくなるので、試験の一次検定(記述試験)だけでも早めに対策しておくことをおすすめします。以下の記事に詳しく記載しておりますので、施工管理を目指す方は、併せて読みましょう。
施工管理の資格の種類について解説しています。(※2024年に、受験資格の改正あり)
施工管理技士の資格には、7つの種類があることをご存じでしょうか。誰でも取得できる資格ではなく、実務経験が必要となります。では、未経験者は何の資格からとるべきなのでしょうか。また、2024年4月から法改正により受験資格[…]
施工管理技士の資格手当の相場は?
施工管理の資格手当の相場について、紹介します。施工管理技士の資格が、キャリアアップや経済的なメリットとして、どのように影響しているか参考にしましょう。
施工管理技士の相場
- 1級施工管理技士:1万円~3万円
- 2級施工管理技士:3,000円~1万円
※複数の転職サイトや求人情報に基づいて当サイトで独自に調査しました。
ただ、全ての企業が、資格手当の制度を設けているわけではありません。資格保有を1つの評価として年収に反映させ、特別な手当としてではなく、給与全体として支給している企業も存在します。
そのため、施工管理の資格手当の相場価値として、参考程度に留めましょう。企業の職場や業種の状況に応じて異なりますので、施工管理技士として就職や職務の選択を行う際は、基本的な指標として理解しておくと目安とできます。
運転免許は必要だろうか
運転免許は、業務を円滑に進めるために基本的に必須とされます。施工管理技士の仕事において、現場やオフィス間の移動、資材の調達、書類の申請など、運転を必要とする作業が数多くあるからです。
施工管理の求人募集を見ていますと、運転免許証を募集条件にしていない会社もありますが、将来的に必要になる可能性が高いです。仮に今は運転免許証を持っていなくても、仕事の特性を考えますと、将来的に取得することを推奨します。
実態を先にイメージできるように「施工管理に運転免許がなぜ必要なのか」については、以下の記事を合わせて読んでください。
施工管理に運転免許は必須?ATとMTならどっち?|解説します!
施工管理者として効率的な業務を行うためには、運転免許が欠かせません。しかし、多くの新入社員や転職者からは、「施工管理に運転免許が必須かどうか」「マニュアル(MT)とオートマチック(AT)のどちらの免許がより適切か」について、疑問が出[…]
仕事で忙しくなってから、「先に知っておけば。」という後悔をなくしていきましょう。
資格なしでも施工管理に転職する方法
資格なしでも施工管理に転職する方法は、複数の転職エージェントを活用することが近道です。理由は、3つあります。
1つ目の理由:「建設業の求人は、派遣会社が多く「派遣社員」と「正社員」の求人が、混ざってややこしい」
2つ目の理由:「建設業で実務経験や資格を持つエージェントがある」
3つ目の理由:「転職サイトより情報量が多い」
▼1つ目の理由:「建設業の施工管理は、派遣会社が多く「派遣社員」と「正社員」の求人が、混ざってややこしい」
施工管理を未経験で転職する場合、大きく分けて「派遣社員」と「正社員」の選択肢があります。
「派遣社員」で仕事を探す場合、派遣会社と転職エージェントは、手続きが似た流れとなります。まずは派遣会社で登録(雇用契約)及び面談する必要があります。転職サイトや転職エージェントでも、派遣社員の求人の扱いがあります。
「正社員」で仕事を探す場合、未経験で施工管理や現場監督の求人は少ないため、複数のエージェントへ正社員を希望している転職意向を伝えることで、効率的に探してくれます。また、派遣社員や契約社員の案件でも問題ないと意向を変更した時は、そのままエージェントへ伝えれば事足ります。
▼2つ目の理由:「建設業で実務経験や資格を持つ転職エージェントがある」
実は、建設業界に特化した転職エージェントがあります。
転職エージェントは、求人に応募する前に、TELなどで面談があり、建設業の実態や転職ノウハウなど気軽に質問ができます。また、その時の業界ニーズについて説明してもらうことや、自分の経歴から仕事に就く難易度などを評価してもらうこともできます。たとえば、30代後半で未経験で施工管理は可能か、学歴で影響するかなど、確認が可能です。
▼3つ目の理由:「転職サイトより情報量が多い」
したがって、資格なしでも施工管理に転職する方法は、複数の転職エージェントを活用することです。
転職エージェントや転職のウェブサイトを探すのが面倒な場合
転職エージェントや転職のウェブサイトを探すのが面倒な場合は、以下の記事にまとめていますので、併せて読みましょう。
基本的に無料で利用できるので、興味のある方は早めにおすすめのエージェントを把握することを推奨します。(※エントリーの際は、必ずご自身でも確認してください)
▼転職エージェント
迷わず選択できるように、3つの観点で建設業界での転職に適している転職エージェントを厳選しました。職務経歴書などの添削相談ができるところもあります。
施工管理・建設で即決断の転職エージェントはこの3つ|17サービス以上を比較!-SEKO38
▼転職サイト
属性や転職意向(派遣で仕事「避けたい」、「気にしない」など)に合わせて、おすすめの転職サイトを厳選しています。1つのサイトだけでなく、複数のサイトを活用しましょう。
施工管理・建設の転職サイトを意向別におすすめ|21サービス以上を検証比較-SEKO38
まとめ:施工管理は資格なしでもなれる?を解決!未経験者の転職方法も紹介
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
施工管理は、資格なしでも仕事ができます。実際に未経験の求人募集をする企業があるからです。
また、将来的には、施工管理技士を取得すると、キャリアアップが望め、転職活動においてもアピールポイントとなります。
そして、転職エージェントを上手く活用すると、資格なしでも施工管理へ転職を目指せます。
つまり、施工管理者は、資格を持たない状態からスタートし、実務経験という実績を築きながら、資格取得を目指すことが一般的なのです。
一人前まで5年を目安とされ、一日の作業の中では、現場作業以外に書類作成やメール対応などの事務作業もあり忙しい職業です。しかし、それに見合うやりがいと魅力があります。
資格がなくても、建設業界でのチャレンジを諦める必要はありません。
●施工管理や建設業での従事を検討されている未経験の方へ
求人を探す際は、公開日が新しい新着求人に注目し、資格不問や未経験歓迎、ブランクOKなど書かれた求人を狙って活動しましょう。
また、勤務エリアや給与面(月給や賞与、昇給、退職金など)の待遇だけでなく、併せて企業の教育研修や社会保険完備、支援制度(資格試験の支援など)も確認しましょう。企業によっては、オンライン講座や講習会の研修プログラムを導入し、入社後に受講できる環境もあります。
転職活動をする際は、現在の会社を退職する前に募集されている求人の応募要件をチェックしましょう。たとえば、企業が求めるスキルや実務経験の年数(1年以上、3年以上など)、資格(建築施工管理技士、電気工事士など)の必要性など、業種や事業内容は何かなど、実態を先に知ることができます。
「先に知っておけば良かった」を回避し、役職に就けるようキャリアアップを実現しましょう。時間に余裕があれば、教材を調べておくなど、資格検定の合格を目指して勉強できます。
●求人情報を見るうえで、気を付けること
転職活動をする際は、現在の会社を退職する前に募集されている求人の条件項目をチェックしましょう。たとえば、どのくらいの企業が有資格(たとえば、施工管理技士や建築士など)を必須としているか、求めている年齢層はどのくらいか、女性でも働きやすそうな職場環境があるかなど、あくまで目安ですが実態を先に知ることができます。
休暇(完全土日休みや週休2日、育休など)や平均残業、転勤有無などの相場を見るのも大事ですが、創業時期など、細かい内容まで徹底して調査しておき「先に知っておけば良かった」を回避しましょう。
▼転職エージェントを迷わず選択(3つの観点厳選)
施工管理・建設で即決断の転職エージェントはこの3つ|17サービス以上を比較!
▼転職サイト(派遣や正社員、意向別に厳選)
施工管理・建設の転職サイトを意向別におすすめ|21サービス以上を検証比較