施工管理のQCDSEとは、「Quality(品質)」「Cost(原価)」「Delivery(工期・工程)」「Safety(安全性)」「Environment(環境)」から頭文字をとった言葉です。
とは言っても、「QCDとか、4大管理とか、違いがよくわからない」「SEQCDでなくて?」と思うこともあるでしょう。
そこで本記事では、QCDSEと併せて、要素の優先順位や4大管理、環境管理について解説します。是非参考にしてください。
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施工管理のQCDSEとは
施工管理のQCDSEとは、「Quality(品質)」「Cost(原価)」「Delivery(工期・工程)」「Safety(安全性)」「Environment(環境)」から頭文字をとった言葉です。建設業界で重要な要素とされています。また、5大管理と呼ばれることもあります。なお、優先される要素の順番ではありませんので、注意しましょう。
QCDSEと呼ばれる背景
もともとは、製造業で重要な要素として「QCD(Quality、Cost、Delivery」)」という言葉が派生し、一般的なビジネスシーンでも普及されました。そして、安全を確保する必要性が特に高い業界にSafetyが追加されました。また、環境保護の関心が世界的に高まったことでEnvironmentが追加されました。
別の業界で派生した言葉のため、Deliveryは一般的に納期とされていますが、建設業では工期や工程とされています。
では、施工管理のQCDSEについて、それぞれの要素を簡単に解説します。
Q:Quality(品質)
設計図書(設計図や仕様書のこと)に沿った建設工事を徹底し、完成する建物が最高の品質を確保します。使用される資材の選定や建設現場での作業の正確さなど、最終的な仕上がりの品質を厳格に管理します。
C:Cost(原価)
建設プロジェクトを予算内で完了させることを目指し、費用を効率的に管理します。予算計画の作成や人件費の効率化、資材コストの削減など、品質を損なわずに低コストで完成させられるよう予算計画を作成し、実行に移します。
D:Delivery(工期・工程)
建設プロジェクトを計画通り完成させられるように管理します。工程表の作成やスケジュール管理など、進捗の追跡や調整をします。予定された計画で問題が発生した場合、迅速に対応し、工期の延長やコストの増加を防ぎます。
S:Safety(安全性)
建設現場での作業が安全に行われるように管理します。作業員の安全を守るための明確な基準と方針の設定や、適切な安全装備の確認など、事故の危険を最小限に抑えるために必要な安全対策を実施します。
E:Environment(環境)
建設活動が自然環境に与える影響を最小限に抑えるよう管理します。廃材の適切な処理や汚染防止対策の実施、環境に優しい材料の使用など。建設現場の周辺環境に配慮しながら、継続的に環境影響を評価し管理します。
これらの要素をしっかり管理することで、建設プロジェクトを計画通りに成功させられます。
施工管理の「SEQCD」とは、QCDSEの優先順位
施工管理のSEQCDとは、QCDSEの優先順位です。一般的に要素の優先順位は、Safety(安全性)、Environment(環境)、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期・工程)とされています。では、それぞれの要素ごとに解説します。
▼1番目:Safety(安全性)
建設現場で「安全第一」と言われるように、事故やケガを防ぐために最も重要な措置を講じることが必須だからです。安全性を確保できないと工事現場の業務は成立しません。
施工管理者は、全体の安全基準に従って現場監督を行います。発注者と連携し、適切な方法で事故やケガのリスクを最小化する役割があります。
▼2番目:Environment(環境)
▼3番目:Quality(品質)
▼4番目:Cost(原価)
▼5番目:Delivery(工期・工程)
施工管理の4大管理とは?QCDSにEが追加される前の話
施工管理の4大管理とは、「品質管理」「原価管理」「工程管理」「安全管理」です。先にも少し触れましたが、QCDSを建設業界に特化させたものが、施工管理の4大管理とされています。それぞれの管理がプロジェクトの全体的な進行と完成に不可欠な要素となり、建設プロジェクトの成功を支えるために重要です。
施工管理の4大管理と要素
「品質管理」:Quality(品質)
「原価管理」:Cost(原価)
「工程管理」:Delivery(納期)
「安全管理」:Safety(安全性)
その後、世界的に企業活動における持続可能性や社会的責任の関心が高まり、Environment(環境)の保護に配慮することが求められるようになりました。そしてQCDSにEが追加され、広く浸透しました。
4大管理については、以下の記事でまとめておりますので、まだお読みでない方は併せて読みましょう。
施工管理の4大管理とは、「品質管理」「原価管理」「工程管理」「安全管理」です。また、もう1つの重要な要素として「環境管理」となります。世界的に環境を保護する意識が高まったことで、建設業の施工管理では、5大管理と呼ばれるようになりました。[…]
施工管理のQCDSE「Environment(環境)とは」
施工管理の重要な要素のEnvironment(環境)とは、環境や地域社会に与える影響を最小限に抑えて建設プロジェクトを管理することです。この環境管理は、「自然環境」「周辺環境」「職場環境」の3つに分けられます。
●「自然環境」への取り組み
工事による周辺の空気、地盤、水、土壌に与える影響を最小化します。具体的には、CO2排出削減や土壌汚染の検査などの汚染防止対策を実施します。
●「周辺環境」への取り組み
工事による現場の近隣住民へ被害が出ないようにします。具体的には、騒音や振動の計測、重機の排気ガスや粉じんの排出の管理などです。
●「職場環境」への取り組み
建設現場の作業員が働きやすい環境にします。たとえば、安全対策の実施や共有、適切な作業条件の確保、健康管理の強化などです。
これらの環境管理の取り組みは、法規制の遵守だけでなく、企業の社会的責任を果たします。持続可能な事業運営に貢献するために重要となります。
環境管理の具体的な評価方法
環境管理の評価方法とは、建設現場が環境に与える影響をチェックし、それが良いことか悪いことかを判断する方法です。環境を守るための改善点がわかります。具体的な評価方法について、紹介します。
●環境監査
建設現場が環境ルールに遵守しているかどうかをチェックします。具体的には、工事による騒音が規定値を超えていないか、廃棄物が適切に処理されているかなどを確認し、高品質な環境保全を実現します。
●パフォーマンスモニタリング
現場での環境目標(エネルギー消費を減らす、水を節約するなど)がどれくらい達成されているか確認します。たとえば、定期的に電力消費量や水使用量のデータを収集し、評価します。そして、改善点を把握します。
●コンプライアンスチェック
法律や規則に従って建設活動が行われているかを確認します。
上記のように、環境管理では、建設現場が環境に与える影響を評価しています。
プロジェクトの進行段階ごとの環境管理「5つのステップ」
プロジェクトの進行段階ごとの環境管理について解説します。環境管理は、プロジェクトの計画段階から、以下のような5つのステップで行われます。
1.環境影響評価(EIA)
2.環境管理計画の作成
3.施工前の準備
4.施工中の環境モニタリング
5.施工後の評価
環境管理の手順について、ステップごとに解説します。
▼1.環境影響評価(EIA)
環境影響評価とは、計画されたプロジェクトや開発が、自然環境に及ぼす潜在的な影響を事前に調査・予測をし、その対策を踏まえた上で、総合的に評価することです。
施工管理においては、プロジェクトが開始される前に、その建設活動が環境に与える影響を把握します。たとえば、どのように動物や植物に影響を与えるか、空気や水の質が悪化する可能性があるかなど、調査します。
▼2.環境管理計画の作成
▼3.施工前の準備
▼4.施工中の環境モニタリング
▼5.施工後の評価
施工管理者が環境管理で求められるスキル
環境管理で求められるスキルは、環境法規と規制の理解です。
環境管理は、プロジェクトが環境に与える影響を最小限に抑えることが目的です。施工管理者は、現地の環境法規を正確に理解し、それに基づいた施策の立案が大切となります。たとえば、特定の地域で大気汚染物質の排出基準が厳格化されている場合、適切な排出管理技術などを導入し、規制値を下回るように対応する必要があります。
したがって、環境管理では、環境法規と規制の理解が求められます。また、トラブルが発生した際は、迅速な対応が求められます。
まとめ:施工管理のQCDSEとは?SEQCDとは?
併せて環境管理を具体的に解説
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
施工管理のQCDSEとは、「Quality(品質)」「Cost(原価)」「Delivery(工期・工程)」「Safety(安全性)」「Environment(環境)」から頭文字をとった言葉です。また、SEQCDとは、一般的なQCDSEの優先順位です。
また、施工管理の重要要素の1つ、Environment(環境管理)は、建設プロジェクトを進める際に、環境や地域社会へ与える影響を最小限にするよう管理することです。「自然環境」「周辺環境」「職場環境」があり、3つの分野で配慮する必要があります。
建設プロジェクトの成功のためには、QCDSEを総合的に管理し、適切なバランスをとることが大切です。
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