施工管理に運転免許は必須?ATとMTならどっち?|解説します!

施工管理に運転免許は必須?ATとMTならどっち?|解説します!

施工管理者として効率的な業務を行うためには、運転免許が欠かせません。

しかし、多くの新入社員や転職者からは、「施工管理に運転免許が必須かどうか」「マニュアル(MT)とオートマチック(AT)のどちらの免許がより適切か」について、疑問が出てきます。

企業によっては、求人の募集要項に「運転免許は不要でOK!」と記載があり、入社段階で運転免許を必要としない求人もあります。しかし、施工管理の業務の中で、実際にどの程度必要とされているかまでは、なかなかイメージできませんよね。

そこで本記事では、施工管理業務で求められる運転免許の必要性について、その利点や現場での実態を解説します。是非、転職やキャリアアップに役立ててください。

 

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施工管理に運転免許は必要か?

施工管理に運転免許は、必要と言えます。理由は現場への移動のみならず、緊急時の対応や資材の運搬など、仕事の中で助かる場面が多いからです。理由の具体例について解説します。

現場への移動

施工管理では、1日に複数のビルや設備工事現場を巡ることがあります。効率良く巡るには、社用車を運転する必要が出てきます。
特に地方や広範囲にわたるプロジェクト案件では、公共交通機関だけではアクセスが困難な場所も少なくありません。

緊急時の対応

事故やトラブルが発生した際、迅速な対応を求められることがあります。運転免許があれば、直ちに現場に向かい、必要な措置を取ることができます。特にリフォームや設備工事などにおいても重要です。

資材の運搬

小規模な工事や緊急の修理などで、自ら資材を運ぶ場合もあります。運転免許があれば、柔軟に対応することが可能です。

また、施工管理者の運転免許保有率は、約90%以上と言われています。内閣府により公表された「第3節 安全運転の確保|令和5年交通安全白書(全文)」によれば、日本人全体の運転免許保有率は74.8%となり、比較しても施工管理者の運転免許保有率が顕著に高いとわかります。

そのため、施工管理者への転職を考えている方は、仮に施工管理の求人情報に「要普通自動車免許」の記載がなくても、後に必要となる可能性が高いのです。

したがって、施工管理に運転免許は、必要と言えるでしょう。

出典:内閣府.「第3節 安全運転の確保|令和5年交通安全白書(全文)

 

施工管理は運転免許をマニュアルで取るべき?

施工管理者にとって、一般的にマニュアルと呼ばれる「MT(マニュアルトランスミッション)」の運転免許は、必要性が高いため取得することをおすすめします。

多くの現場作業で、作業効率と緊急時の対応能力を向上させることが可能だからです。

緊急時の対応が必要なケース

事故や急な資材要求により、現場のMTトラックを運転するタイミングがあるかもしれません。

現場の誰かの車を借りての移動するケース

複数の現場を担当する際、他の職員のMT車を借りて移動する可能性が考えられます。

社用車がMT仕様であるケース

特定の車両がMTのままであり、運転する必要が生じてしまうことが考えられます。

~イメージしてみよう~

たとえば、緊急時に現場のトラックを運転する必要が生じたが、AT限定の免許では対応できず、プロジェクト案件が遅延する事態が発生。このような場合、MT免許があれば迅速に問題に対処でき、作業の遅れを防ぐことが可能です。

したがって、施工管理という職種では、必ずMT免許が必要というわけではありませんが、さまざまな状況で柔軟に対応できるようMT免許の取得を推奨します。AT限定で入社した場合でも、限定解除をすることで、職場環境で信頼性を高めることができます。

AT限定解除の方法(方法、必要期間)

施工管理者がAT限定免許から普通免許への限定解除をすることは、多くの車種に対応できるようになり、職場での運転選択肢を広げるために効果的です。限定解除の方法は、2通りあり「教習所に通う方法」「試験のみ受ける方法」があります。

「教習所に通う方法」は、AT限定解除まで1週間程度の期間を要します。最低4時間の講習を受けることで、ATからMTへの運転技能を学ぶことができます。講習を通じて、教習所での実技のみの評価で卒業が可能となり、学科の教習は不要です。

「試験のみ受ける方法」は、AT限定解除まで最短1日の期間で取得できますが、試験に受かるまで受験する必要があります。

AT限定解除のためには、クラッチ操作に慣れたいという人が多く「教習所に通う方法」が一般的です。解除の過程は通常3〜5日間を要し、費用は4〜8万円程です。

施工管理でキャリアアップを検討されるなら、忙しくない時にAT限定解除をしておくことをおすすめします。

運転免許の法改正(2017年3月12日)

運転免許は、2017年3月12日に法改正により準中型免許が新設されました。それに伴い、普通免許で車両総重量や最大積載量の上限が下がりました。施工管理の仕事や、建設現場で一緒に働く人にも影響があるので、内容を把握しておきましょう。

法改正前までの普通免許の上限です。

普通免許(法改正前)
車両総重量:5トン未満
最大積載量:3トン未満
乗車定員:10人以下

2017年3月12日以降の普通免許と準中型免許の上限です。

普通免許(法改正後)
車両総重量:3.5トン未満
最大積載量:2トン未満
乗車定員:10人以下

準中型免許(新設)
車両総重量:7.5トン未満
最大積載量:4.5トン未満
乗車定員:10人以下

そのため、普通免許は、運転できないトラックが増える結果となりました。普通免許による中型車の運転が制限されたと言えます。施工管理者によっては同じ普通免許でも、運転できる中型車の条件が異なる点に注意しましょう。

施工管理の運転免許は将来的に準中型免許を視野に入れましょう

施工管理者にとって、準中型免許の取得は大切です。理由は、法改正の影響を緩和し、運転業務において活躍の場を増やすことができるからです。特に建設現場では、2トンや3トントラックが一般的に使用されており、これらの車両を運転できる能力は業務を効率化できます。さらには、ミキサー車やキャンター、ユニック車なども運転可能となり、施工管理者が現場の運転ニーズに対応できるようになります。

また、準中型免許を保有することは、キャリア発展においても有益です。建築業界での給与アップや昇給のチャンスを増やし、転職が必要になった場合も、より多くの建設会社での求人に応募できるようになります。

将来的には準中型免許の取得を視野に入れましょう。

 

車の運転が怖い、自信がない場合の対処法

施工管理者として業務を遂行するにあたり、完全に運転を避けることは難しいです。運転に自信がない場合は、根気良く練習を重ねていきましょう。ただ、怖いと感じることを継続していくことは、気が乗らず車にも乗れませんよね。

そこで運転を練習していくために、ちょっとしたコツを紹介します。

教習所で講習を受ける

費用は掛かりますが、車庫入れのコツなど教官からポイントを教わりながら練習できます。

週末や休暇を利用して、交通が少ない時間帯に練習する

車を運転する際は、ルールを守っていてもマナーや柔軟性が求められるので、交通量の少ない環境で落ち着いて判断することが効果的です。

家族や友人に付き添ってもらう

安心感を持って取り組むことができます。

仕事でよく通る道を覚える

事前に運転ルートや通勤路を把握することで、運転時の不安を軽減できます。また、GPSやナビゲーションアプリに慣れるための練習にもなります。

これらの対策を通じて運転における不安を解消しましょう。勤務地までの安全な通勤を確保し、業務をより効率的に遂行できます。

 

施工管理で運転免許以外に必要な資格はある?施工管理技士の資格は必要?

もし未経験から施工管理のキャリアをはじめたいと考えているなら、最初の一歩として何をすべきか疑問に思うことでしょう。求人を探していると「2級施工管理技士をお持ちの方歓迎」など、資格を歓迎する求人が多いことがわかります。

実際のところは、全ての現場やプロジェクト案件で、施工管理者が施工管理技士(建築施工管理技士など)の資格が必要とされるわけではありません。特に小規模な工事や特定の専門領域では、資格よりも実務経験や技術的なスキルの方が重要視される場合があります。

施工管理の仕事で、施工管理技士の資格がどの程度必要なのか、以下の記事を合わせてお読みください。

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なお、未経験で正社員として施工管理の仕事を検討されている場合は、求人情報をしっかりと確認することが大切です。

通常、未経験での新入社員は先輩社員と一緒に現場を回り、実際の業務を通じて学んでいく方法が一般的ですが、企業によって違いがあります。そのため、求人情報を見る際は、給与面(月給や年収、賞与、住宅手当など)や勤務情報(平均残業や年間休日など)だけにとらわれず、企業の教育研修や支援制度、業種、福利厚生などの細かい項目まで確認しましょう。

 

まとめ:施工管理に運転免許は必須?ATとMTならどっち?|解説します!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

結論として、施工管理者としてキャリアを積んでいくには、運転免許は必須と言えるでしょう。施工管理の仕事をはじめる時点では、企業によって必要でないケースもありますが、仕事の中で必要になる可能性が高いです。また、普通免許はATよりMT、普通免許より準中型免許が現場で役立てられます。通常業務には必要ないと思うかもしれませんが、キャリアップや緊急時の対応に非常に効果的です。

時間に余裕がある時に、取得しておくことをおすすめします。